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消費税の更なるアップを前に考える。軽減税率は何に適用すべき?

消費税の更なるアップを前に考える。軽減税率は何に適用すべき?
VNM編集部 お金

消費税8%にアップしてから1年が過ぎました。
景気の回復傾向が確認されつつあるところで、次に控えているのが消費税10%です。
2017年4月に引き上げが予定されています。

100円の買い物なら110円、1万円の買い物なら1万1000円と、1円でも安く買おうと思っている人には、さぞ頭の痛いことでしょう。
そこで現在検討されているのが、一部の商品に対する軽減税率の導入です。

反対と叫ぶだけじゃなくて、軽減税率について考えてみよう

消費税における軽減税率とは

1989年、3%の消費税が導入されました。
1997年には税率が5%にアップ、そして2014年4月には、さらに8%へと引き上げられました。

当初は「福祉の財源に充てる」とする導入目的が大きく掲げられていましたが、実態は不明確で、今となっては財政再建のために消費税が存在するかのようになっています。

税率が高くなるにつれて注目されているのが、軽減税率です。
これは元々の税率より低い税率を一部の商品に適用するもので、低所得者への生活対策や、関連業界の保護などを目的としています。

諸外国を見てみると、軽減税率の適用対象として最も多いのが食品です。生きていくのに欠かせない食べ物の税率を低めに設定することで、低所得者の生活を守ると考えている国が多いということになります。

ここで問題となるのは、どんな食べ物の税率を低くするかです。

参考:主要国の付加価値税の概要(財務省)

どんな食べ物に軽減税率を適用するべきか?

まずは日本人の主食「精米」に

日本でも軽減税率の話し合いが進んでおり、一番簡単なのが「精米」、つまり精白したお米だけに低めの税率を適用する考えです。

かつてに比べてお米の消費量は減りつつあるものの、日本人の主食として中心を占めていますし、生活する上で欠かせないものの1つです。
「精米」だけに軽減税率を適用した場合、減る税収が約200億円と少な目なことも、税収増を目指す政府からすればメリットであると言えます。

生鮮食品への適用も

聖書に「人はパンのみに生くるにあらず」の言葉があります。
意味合いはちょっと違いますが、日本人もお米だけを食べて生きていけるわけではありません。
そこで次に考えられているのが、生鮮食品に対する軽減税率の適用です。

これは例えば、肉、魚、野菜など、加工度合いの少ない食品に対して低めの税率を適用するもので、こちらも毎日の生活に欠かせない食べ物を主点に置いた考え方です。

ただし税率を変える境界の設定が困難になること問題となります。
肉や魚は低めの税率に、ソーセージやツナ缶は「生鮮食品」ではないので高めの税率にするとして、それではひき肉や味付け肉、魚の切り身や干物はどうするのか。
野菜であれば、カット野菜や冷凍野菜はどうなるのか、お茶やハーブは野菜に加えるのか、といろいろ考えることが増えるのは間違いありません。

ヨーロッパやアメリカなどでは、税率の区分をめぐって、訴訟も起きていますし、結果的にメーカーや消費者が混乱に巻き込まれる事態も発生しています。
例えばヨーロッパでは、消費税のような付加価値税の適用が国によって異なるため、陸続きである隣の国に買い物に行くことが、当たり前のようになっています。

参考:軽減税率検討委:対象3案▽酒除く飲食料▽生鮮食品▽精米(毎日新聞)

日用品への軽減税率は俎上に上がらず

今のところ、食品以外への軽減税率の適用が検討課題に上がることは少ないようです。
政府からすれば、財政再建を主目的としているだけに、なるべく税収が減る方向には進めたくないのは当然といえば当然のことです。

しかし、衣料品や靴、日用雑貨、学用品など、食品以外でも日常生活に欠かせないものに対して、高めの税率が適用されることに批判的な意見も少なくありません。
いずれ日用品に対しても、軽減税率の適用を図る時期が来ると筆者は考えています。

本や新聞はどうなる?

消費税が導入、アップされた時に、いろいろな意味でダメージを受けたのが出版業界です。

食品や日用品に比べて本は長期間店頭に置かれることが多いため、税込値段の変更が難しい面があります。
1989年の消費税導入時には、変更した値段のシールを張り付けたり、手書きで変更したりの苦心の対応がありました。

また2014年4月に消費税が5%から8%にアップした際には、コンビニエンスストアでは、新聞や雑誌の売れ行きが落ちました。
500円の雑誌であれば、増税分は10円程度なのですが、それでも買うのを止めようと考えた人が多かったようです。

新聞は、少なからぬ国で軽減税率の適用を受けています。
理由は一律ではありませんが、そうした諸外国の状況を受けて、日本の新聞業界でも軽減税率の適用を求める声が大きいようです。

特に新聞は報道の一端を担っているだけに、陰に陽に軽減税率の適用を求める指摘が見受けられます。
その中にはいくらか手前勝手な見解を述べたものもありますが、それだけに生き残りに懸命なのでしょう。

参考:なぜ新聞に軽減税率が必要なのですか?(日本新聞協会)

ただし本や雑誌にしろ、新聞にしろ、税率が多少低くなったからと言って、売上が回復するとは考えにくいです。
出版業界も2000年頃のピーク時から売上が落ちていますし、新聞の購読者数も減っています。
コンテンツ産業に共通することですが、税率云々ではなく、いかに魅力的な内容にするかをより考える方が良いのではないでしょうか。

軽減税率をどう適用するべきかが重要!

消費税が10%に上がるのは、誰だって嬉しくありません。
軽減税率が適用されるというのならあらゆるものの税率を全て下げて欲しいとも思います。

ただ、税収がないと国が立ち行かないのもわかりますし、何も考えずただただ「反対!」と叫んでいるだけでは何もうまれません。
消費税10%引き上げが決まってしまったのならば、どういった形で軽減税率が導入されるのが良い選択になるのか、冷静に考える必要があるのではないでしょうか?

さて、あなたが「この税金は低くなって欲しい」と思うものは何ですか?

【Q】軽減税率の対象品目、適用範囲を決めるとしたら、どれを選びますか?

消費税に関するアンケート

 対象条件:日本全国のモニターさん
 回答者数:1000人 (調査日:2015/5/27)

軽減税率の対象品目、適用範囲を決めるとしたら、どれを選びますか?

1000人のボイスノート会員に消費税についての調査を実施しました。今回の記事内容を踏まえ、ただ「税金は安いほうが良い!」ということではなくて、メリット・デメリットを踏まえた上での回答をお願いしたところ、上記のグラフのような結果となりました。

結果は、「線引」をどうするかの議論が紛糾しそうな「生鮮食品」が約41%、結局税収増に繋がらなさそうな「酒以外の飲食料品」が35%。
「そうは言っても適用される範囲は広いほうが良い!」といったところでしょうか。
消費税8%だってまだ慣れていないし苦しく感じているんですから、少しでも負担を軽減出来るのが何よりもありがたいですよね。
だけど…のバランスが政治家の皆さんには問われることになりそうです。

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