エンタメの記事

秋の夜長にふさわしい絵画や美術品、芸術を堪能できる漫画4作品

秋の夜長にふさわしい絵画や美術品、芸術を堪能できる漫画4作品
VNM編集部 エンタメ

芸術の秋は芸術漫画を楽しもう

秋はとかく「○○の秋」と言われる季節です。
読書の秋、スポーツの秋、収穫の秋、食欲の秋、行楽の秋など、さまざま挙がるかと思いますが、今回は「芸術の秋」にちなんだ話題です。

そもそも何故「芸術の秋」と言われるようになったのでしょうか?
広く一般から作品を募る展覧会を「公募展」と言いますが、明治から大正時代にかけて、この公募展の多くが秋に開かれたことから、「芸術の秋」「文化の秋」「美術の秋」などと言われるようになったのだとか。

そんな芸術、美術の分野をテーマにした漫画も数多く描かれています。
漫画そのものを楽しむと同時に、芸術への窓口ともなりそうな傑作漫画を紹介しましょう。

関連:終戦から70年。第二次世界大戦、戦争を扱った漫画で読んで考える
   ダイビングにビーチバレー、マリンスポーツ漫画で夏を乗り切ろう

1.ギャラリーフェイク

ギャラリーフェイク

まずは小学館「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた『ギャラリーフェイク』(細野不二彦)です。
コミックスは全32巻、文庫版は全23巻が発刊されています。

主人公の藤田玲司(ふじた れいじ)は、若くしてアメリカのメトロポリタン美術館で活躍した腕利きです。
あるトラブルで日本に戻った後は、自らアートギャラリーを運営する傍ら、ある「いかがわしい商い」にも手を出しています。

題名の「ギャラリーフェイク」は主人公の経営するギャラリーの名前でもありますが、「フェイク(FAKE:偽物、贋作の意味)」を堂々と冠するところに、彼なりのポリシーが込められているようです。

コミックス23巻「もうひとつの鳥獣戯画」には、題名通りかの有名な『鳥獣戯画』が登場します。

この話で興味深いのは、主人公である藤田の過去が、チラリと垣間見えるところ。
藤田が裏の世界に入るきっかけや、彼の師匠(と言って良いかは難しいところですが)と騙し騙される展開は、鳥獣戯画以上に魅力的に映ります。
「亀の甲より年の功」というべきか、師匠が一枚上手を行ったように見えるのは私だけでしょうか。

2005年にはアニメ化もされた作品です。

参考:ギャラリーフェイク(Wikipedia)

絵画修復家キアラ

絵画修復家キアラ
続いてぶんか社「月刊ホラーM」で連載されていた『絵画修復家キアラ』(たまいまきこ)です。

主人公は若干12歳の女の子、キアラ。
伯爵の家に生まれた伯爵令嬢でありながらも絵画修復に興味を持ち、3歳から9年間の修行の後、12歳ながらに一人前の修復家として活躍しています。

と言っても、言動のそこかしこが子供っぽく(実際に子供なので…)、絵を見たいがために荷物の中に潜り込んで周囲をかき回したり、自分のことを「天才修復家」と言っちゃったりもします。

コミックス1巻「復讐絵画」では、傷ついた絵画の修復を引き受けるのですが、自分の修復技術について「完璧な芸術には神の力が宿る」なんて大胆な発言もしてしまうほどです。

筆者としては「もうちょっと身長があったらなぁ…」と思うところもありますが…。
それはさておき、最終的には「復讐絵画」の謎が明らかになり、身内にかけられた嫌疑もキアラの活躍によって晴らされるという、ミステリやサスペンス要素も強い作品です。

コミックスは2巻まで発売されていますが、掲載誌の休刊などもあって連載が中断したままとなっています。
作者のブログにもその辺りの状況が記されており、続編を希望するファンの声も寄せられています。
電子書籍版は発売されていますので、その辺りでファンが増えればもしかすると、と言ったところもあるかもしれません。

たまいまきこblog
http://makikotamai.blog.shinobi.jp/

3.ゼロ THE MAN OF THE CREATION

ゼロ THE MAN OF THE CREATION<
次は、集英社「スーパージャンプ」で連載されていた、『ゼロ THE MAN OF THE CREATION』(原作:愛英史、漫画:里見桂)です。
コミックスは全78巻。

自らをゼロと名乗る、「神の手」を持つ贋作者の男が主人公。
様々な人物からの依頼や、自らの身に降り懸かるトラブル解決のため、本物そっくりの偽物を作り上げていきます。

ただし彼自身は作者本人になりきって作っているため、「贋作」を作っているつもりはなく、完成させた作品は「本物」であると主張しているほどです。
偽物と明かす場合には、事情に応じてわざと偽物とわかるような作品に独特な細工を施しています。

コミックス52巻「贋作工房」では、「鮭」「花魁」などで知られる高橋由一の贋作を作るよう命じられます。

贋作を作る犯罪組織に息子を殺された両親からの依頼を受けたゼロが、誘拐されたように見せかけて組織に入り込んだ際に命じられたもので、ゼロの描いた「贋作」が元になり、犯罪組織は一網打尽になります。
そこでも彼と依頼者にしか理解できない絵に施したある細工が、逮捕に至る見事な効果となっています。

4.燁姫

最後は小学館「プチコミック」で連載されていた『燁姫(あきひ)』(佐伯かよの)です。
コミックスは全18巻。秋田文庫版は全10巻。

タイトルと同名の女子高生、燁姫が主人公の物語です。
昼間はちょっと地味な女子高生でありながら、夜は画廊「燁姫」のオーナーとして辣腕を振るう一面も持っています。

彼女が画商になったのは、無名の画家であった今はなき父親の描いた絵を探し求めるため。
必然的に商いの上で大金を扱うことになり、時には命の危機が及ぶこともあります。

文庫版3巻「仮面舞踏会」では、探していた絵について大きな手がかりが得られるのですが、女子高生と画商の立場に葛藤する彼女の心の揺れが描かれています。
悩ましげな美女は、それだけで絵になりそうですが、本人の立場では、そうは行かないでしょうね。

探していた絵は残念ながら…となってしまいますが、その後も父の絵を探し求めていく中で、絵の世界における事情なども伺える素晴らしい作品になっています。

ちなみに作者の公式サイトは燁姫がオーナー代理を務めていて、トップページがギャラリー仕様になっています。

佐伯かよの公式サイト「星恋華」
http://www.kayono.jp/

芸術いろいろ

今回は「芸術」と掲げつつも絵画をテーマとした漫画を取り上げることになりましたが、芸術・美術の範囲はとても幅広いものです。

彫刻、陶芸を始め、舞台や音楽、建築、文芸、現在では漫画も芸術と言ってよいかもしれません。
そうした方面をテーマにした「芸術漫画」も、機会があれば紹介したいと思います。

「芸術の秋」と聞いて思い浮かぶ「芸術」はどれですか?

芸術に関するアンケート
 対象条件:日本全国のモニターさん
 回答者数:1000人(調査日:2015/9/18)

「芸術の秋」と聞いて思い浮かぶ「芸術」はどれですか?

「芸術の秋といえば何?」ということで、敢えてひとつを選んでいただいたところ、最も「芸術の秋らしい芸術」は「絵画」の41.9%となりました。

そういう意味では今回の「芸術漫画」特集はぴったりのセレクトだったかもしれませんね。
電子書籍などで比較的入手しやすい作品も多いので、ぜひ秋の夜長の漫画タイム、楽しんでみてください。

格安ネットリサーチ
格安ネットリサーチ