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【歴メシを実際に作ってみるシリーズ】最終話 最後はリゾットでルネサンスの巻

ボイスノートマガジン編集部 エンタメ

独身男K、最後にルネサンス期の米料理を作って食べる

歴史料理研究家の遠藤雅司さんが主宰する、昔の人たちが食べていた料理を残っている文献を手がかりに作って食べてみるというプロジェクト「音食紀行(おんしょくきこう)」。
そして、このプロジェクトと、そのイベントで再現された料理のレシピを本にまとめた『歴メシ!』。

「音食紀行」と『歴メシ!』の魅力をさらに伝えるためにはどうしたら良いか、編集部で考えに考えた結果、自分たちで歴メシを作ってみるのが良いのではないかということで始まりました【歴メシを実際に作ってみるシリーズ】。
第3弾にしていよいよ最終回です!

今回も、アンケートサイト「ボイスノート」で音食紀行担当のK氏が、『歴メシ!』を参考に歴メシを作っている模様をお届け致します。

関連:【歴メシを実際に作ってみるシリーズ】第一話 古代ローマの風を埼玉で感じるの巻
  :【歴メシを実際に作ってみるシリーズ】第二話 マスタードの海に溺れ、中世イングランドの厳しさを知るの巻

これは、普段からまともに料理をしない三十路男のKが慣れない料理に挑み、歴メシの魅力を伝えつつ、自らの「男子力」も向上させていこうという、体感型歴史料理ドキュメントです。

独身男Kの3度目の正直、歴メシクッキング

3度目になりますが、ここを初めて見ている方のために、簡単にK氏を紹介します。

アンケートサイト「ボイスノート」で音食紀行をはじめ数々のクライアントと仕事をしているKは、埼玉県在住の三十路男。
独り暮らし歴は長いものの、食事は外食か出来合いの弁当や惣菜などで済ませてしまい、自炊は全くしていません。
彼女もいません。

部屋は、これもまたザ・独り暮らしなタイプの1K。
とは言うものの、キッチンは鍋が一つ入ればいっぱいになってしまう流しと、コンロがひとつあるのみで、とても料理がしやすいK(キッチン)とは言えませんが、前回のクッキングの時から若干料理への興味が高まってきた様子のK氏。
(毎度KとKが入り乱れてしまい、申し訳ありません)

さて、最後に作る料理ですが、「何にしようか」と考えるまでもなく、K氏のこの一言ですんなり決まりました。

「日本人なら米だ」

海外のメシを作る企画なのに「日本人なら」っていうのはよく分かりませんが、確かに肉料理、魚料理ときて、米料理という流れは良いと思います。

ということで最後は、ルネサンス期から食べられている「リーズィ・エ・ビーズイ」という米料理に決定しました。

今回も前回に引き続き、K氏が一人奮闘した模様を後で筆者がまとめる形でお送り致します。

3度目のクッキングは果たして成功するのでしょうか。
それとも再び失敗してしまうのでしょうか。

ルネサンス期ヴェネチアの米料理

それではまずは、今回の料理「リーズィ・エ・ビーズイ」のレシピから紹介します。

材料(4人前)

米:1.5合
グリーンピース:100g
生ハム:40g
タマネギ:100g(1/2個)
バター:30g
パルミジャーノ・レッジャーノ(粉チーズ):20g
塩:適量
コショウ:適量
チキンスープストック:1l
水:300ml

つくり方

1.大きなフライパンでバターを熱し、タマネギを5分炒める。
 生ハムを加え、かき混ぜながら2分炒める。
2.米とグリーンピースを加えて2分炒めて、チキンスープストックと水を注ぐ。
3.煮立ったら弱火にし、ふたをせず時々かき混ぜながら25分ほど煮る。
4.塩、コショウで味をととのえて盛り付ける。
 パルミジャーノ・レッジャーノをすりおろして、別皿に盛っていただく。

以上。

今回は、これまでより料理っぽい工程が多いようですが、前回の失敗での教訓を活かして、有終の美を飾れるよう頑張っていただきましょう。

買い出しへ

毎度お馴染み某○エツで、材料を揃えていきます。

揃いました。

チキンスープストックは、用意しようとするとちょっと大がかりになりそうだったので、ブイヨンスープの素を使ったそうですが、そこは許してあげていただけると幸いです。

いざ調理開始!

それでは調理を始めていきます。

まずは材料を切っておきましょう。

タマネギ、生ハムを炒める

流しに橋を架けるようにまな板を置き、タマネギをみじん切りに。
生ハムを一口サイズに切りました。

バターを溶かしたフライパンでタマネギを5分炒めて、

生ハムも投入して、2分炒めます。

すでに美味しそうな香りとヴィジュアルで、完成が待ち遠しいです。

米とグリーンピースを炒める

タマネギと生ハムを炒めたフライパンに、米とグリーンピースを投入して炒めます。

ちなみにこの料理名は「リーズィ・エ・ビーズィ」ですが、「リーズィ」は「米」、「ビーズィ」は「えんどう豆(グリーンピース)」のことで、間の「エ」は「と(英語で言うとアンド)」ということらしいです。
つまり、この料理名を訳すと、「米とえんどう豆」という意味なんだそうです。

そのまんまですね。

スープと水で煮る

リーズィとビーズィも炒めたフライパンに、チキンスープストックの代わりのブイヨンスープと水を注ぎます。

煮立ったら弱火にして、

時々かき混ぜながら、さらに煮ます。

『歴メシ!』によると、このリーズィ・エ・ビーズィはイタリアのヴェネト地区というところに伝わる古い米料理で、ルネサンスの頃に食べられていたそうです。

ルネサンスとは、昔の優れた文化を復興させようと、芸術活動が活発になった時代です。
その頃の有名人と言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ。

ダ・ヴィンチも、リーズィ・エ・ビーズィを食べていたのかもしれませんね。

完成へ

弱火にしてから25分ほど経ったら、塩・コショウで味をととのえて盛り付け・・・のはずが、盛り付ける前にもうここでパルミジャーノ・レッジャーノも掛けちゃいました!

お皿に盛り付けて完成!!
皿がいつも同じですが気にしないでください。
大皿はこのお皿しかないそうです。
一人暮らしあるあるです。

美味しそうです。
『歴メシ!』に載っている写真とは若干違い、リゾットというよりはお粥のようにも見えますが、成功と言っていいのではないでしょうか。

「リーズィ・エ・ビーズィ」実食

果たして、お味はいかがでしょうか。

K氏本人の、食べた感想はこちらです。

<Kの感想>
バターの風味が食欲をそそる。
生ハムの丁度良い塩気とチーズのコクで、全体的に濃厚な深い味わい。
柔らかい食感の米に、硬めの食感のグリーンピースが良いアクセントになっていて、飽きずに食べられる。

食べてみても、やっぱり成功だったようです。

イタリア料理どころか、まともに料理をしたことすらないK氏。
しいて言えばパスタを茹でるくらいしかやったことのないK氏が、3回目の最後にして、ルネサンス期のヴェネチア料理をしっかり作ることができました。

料理をうまく作れた感動と、昔の料理を再現できた感動で、より深く味わうことができたそうです。

美味しく最後を締めくくれて良かった!

海外の料理を楽しもう

さて、3回に渡ってお送りしてきた「歴メシを作ってみたシリーズ」では、古代ローマ、中世イングランド、ルネサンス期イタリア(ヴェネチア)という、3つの時代と地域の料理を作って紹介しました。

いずれも和食にはない独特な材料や作り方と味でしたが、美味しくいただくことができました。
(K氏は一度失敗していますが・・・)

音食紀行による歴メシは、昔の書物などに残る各時代の料理のレシピを再現しつつ、現代の日本で揃えやすい材料で、現代の日本人の口に合うように調整しています。

ぜひあなたも、『歴メシ!』を参考に歴メシを作って食べてみてください。

約半数が中華料理好き

さて今回は、現代のボイスノート会員のみなさんに、好きな外国料理についてアンケートを取りました。

和食以外で好んで食べる外国料理はどの国のものか。
和食以外で作りたい外国料理はどの国のものか。

聞いてみた結果がこちらです。

好きな外国料理はどこの国の料理ですか?

好きな外国料理はどこの国の料理ですか?

「ない」と回答したのが36.1%という、そこそこの多数だったのが意外でしたが、和食以外は好きではない、もしくは食に興味がないという方なんでしょうか。

中華と回答したのは45.0%で約半数。
次に多かったのはイタリア料理で23.7%でした。

中華料理は自分で作るものではない?

自分で作りたい、または作れるようになりたい外国料理はどこの料理なのか聞いた結果がこちらです。

自分で作れるようになりたい外国料理は?

自分で作れるようになりたい外国料理は?

こちらの結果も最多は「ない」で45.9%でした。
約半数の方は、外国料理を作ることに、興味は高くはないようです。
「作る」となると「食べる」以上に敬遠してしまうということでしょうか。

作りたい外国料理の中で最多は、中華料理で28.2%でした。

この結果で気になったのは、他の外国料理が「好き」と「作りたい」の数値でそんなに差がないのに比べて、中華料理は大きく減ったことです。
「食べるのは好きだけど、作りたいとは思わない」という人が、他の外国料理に比べて多いということになります。

調べてみると、総務省の統計では、日本国内における飲食店のうち、外国料理店では中華料理店が最も多いそうです。
中華料理を好きになったり、でも自分で作ろうとは思わなかったりという背景には、「身近なところに中華料理店があるから」ということがあるのかもしれません。

参考:総務省統計局/一般飲食店の特色

現代人は肉料理が好き

さて最後に、メインに何を使った料理が好きなのかを聞いてみました。

肉が好きか、魚が好きか、いったいどちらを好きなほうが多いのでしょうか。

いや、この2択ではいけません。
最近はヴィーガン料理という、動物性食品を使わないお店も増えていて、野菜メインの食事が最も好きだという方もいるはずです。
ここは最先端の選択肢でいってみましょう。

ということで肉、魚、野菜の中では、どれがメインの料理が好きなのか聞いてみました。

どれがメインの料理が好きですか?

どれがメインの料理が好きですか?

49.5%とほぼ半数が「肉料理」との回答で、次に多かったのは「野菜料理」で29.8%でした。

魚より野菜の方が多いのは、ヴィーガン料理店が増えているように、時代の流れによるものでしょうか。
機内食で聞かれがちな「フィッシュ、オア ビーフ?」という質問も、「ビーフ、オア ベジタボー?」に変わる時代がくるかもしれませんね。

歴メシを作ろう

というわけで、長きに渡り「歴メシ」と「音食紀行」についてお伝えしてきましたが、上手く伝わったでしょうか。

遠藤雅司さんが主宰する「音食紀行」のイベントでは、各時代の海外の料理を、時間も距離も飛び越えて味わうことができます。
さらにその書籍版『歴メシ!』を読めば、それらの料理を自分で作ってみることもできます。

カエサルもあの牛のステーキを食べたのでしょうか。
リチャード3世はマスタードで泳ぐタラを楽しんだのでしょうか。
レオナルド・ダ・ヴィンチはリーズィ・エ・ビーズィを自分で作っていたのでしょうか。

そんな風に思いを馳せながらする食事は、また格別です。

お腹も心も満たす「歴メシ」のレシピがたっぷり集録されている『歴メシ!』は、身近なタイムマシンと言えるでしょう。
あなたも歴メシで壮大な旅に出掛けませんか?

歴メシ!書影
「歴メシ!世界の歴史料理をおいしく食べる」/柏書房
http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b307564.html

『歴メシ!』は再現レシピだけでなく、古代の食糧事情や「食の革命」の話など、歴メシに関するエッセイも充実していて、歴史に詳しくない人でも楽しめる1冊となっています。

また、その著者である遠藤雅司さん主宰のプロジェクト「音食紀行」では、昔の人たちの料理を再現し、当時の音楽をBGMに食事を楽しむイベントを開催しています。

「⾳」「⾷」「紀⾏」とあるように、⾳楽と料理を通じて、時代旅⾏世界旅⾏を疑似体験できます。
単独での料理会からプロの演奏家によるコンサート付き料理会など五感で感じられるイベントに、あなたも参加されてみてはいかがですか?

音食紀行
http://onshokukiko.com/wpd1/