国会議員は給料をどれだけもらっているの?
国の政治を担う国会議員。いつまで経っても「政治とカネ」の問題がなくなることはない政治家のセンセイたちですが、国会議員になることで給料はどのくらいもらっているのでしょうか?
一般的に働いて得る報酬を給与や給料などと表現しますが、国会議員については「歳費(さいひ)」と呼んでいます。呼び方が変わるだけで、貰っているのがお金には変わりないのですが、いくら支給されているか、知っている人はどのくらいいるでしょうか?
今回は政治家の「お財布事情」について調べてみました。
※記事中の金額は、記事初出時(2015年7月)の情報に基づくものですのでご了承ください。
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「歳費」は法律で決まっている
国会議員の歳費や各種の経費に関しては、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」などで決まっています。主なものを見ていきましょう。
初めの「第一条」に書かれているのが、月給ならぬ「歳費月額」についてです。
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
第一条
一般の国会議員は、月額で129万4000円、1年では1552万8000円となります。議長になると90万円くらいアップして月額217万円を受け取っているんですね。
また「第十一条の二」などにおいて期末手当を定めています。
第十一条の二(部分)
計算が少々難しいのですが、現在は約635万円が支給されています。「歳費月額」と「期末手当」、これらを合わせた約2200万円が、国会議員の給料と言えるでしょう。
経費もいろいろ支給される
この給料に加えて、国会議員には各種の経費も支給されています。こちらも主だったものを挙げていきましょう。
- 文書通信交通滞在費
月額100万円(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律 第九条) - 立法事務費
月額65万円(国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律 第三条) - 議会雑費
役員や委員長などの役職者に日額6000円(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律 第八条の二) - JR特殊乗車券、国内定期航空券
無料のJR乗車券もしくは航空券(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律 第十条)
役職に応じて支払われるものや都度払われる実費以外でも、歳費(年間約1552万円)、期末手当(635万円)、文書通信交通滞在費(年間1200万円)、立法事務費(年間780万円)と、合計で約4167万円となります。
これが一般的な国会議員の一年間の収入と見なしても良いでしょう。
秘書の給料も公費で支払われる!
この他、国政に関連して地方に出かけた場合には旅費や手当が、また、公務において被災した場合にも手当が支給されます。さらに国会議員は、3人まで秘書を公費で雇用することができます。
秘書の給与は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」などで決まっており、勤務年数にもよりますが概ね600万円から1000万円程度。これが3人ですので、約2500万円が国から支給される形になっています。
この額も経費と言えば経費に含まれそうです。
総理大臣は約200万円!
先に議長や副議長の歳費月額が登場しましたが、総理大臣や他の大臣の給料などは「特別職の職員の給与に関する法律」などで決められています。
例えば総理大臣は月額200万9000円、他の大臣や会計検査院長、人事院総裁は146万5000円、副大臣などは140万5000円です。総理大臣と議長では議長のほうが額が高いんですね!
政党交付金は約320億円
議院における各政党の議席数や、直近の国政選挙の得票実績に応じて配分されるものに、「政党交付金」があります。2019年は自民党に約178億円、立憲民主党に約32億円、国民民主党に約54億円、公明党に約30億円など、合計で約320億円が交付されています。
直接的には各政党に渡るお金ですが、政党を通じて、議員に配分される部分も少なからずあるようです。こちらもある種の経費と見なせます。
高いか安いか
日本国民の平均所得と比べると高い額であるのは間違いありません。また他の国の政治家と比較しても、高めの収入となっているようです。
問題は、その金額に見合った仕事をしているのかどうか。国会議員は選ばれて初めてなれるものですが、折々の選挙結果の信任と、国会議員として行った仕事への信認が、必ずしも一致しているとは限りません。
解散した時、もしくは任期を終えた時に、歳費分の仕事をしたかどうかの信任投票をしてみたら、どんな結果になるでしょうか。投票に行く際には、こうした給料などお金の面を考慮して「無駄のない候補者」を探してみるのも良いかもしれませんね。
【Q】国会議員の歳費について、どう思いますか?
国会議員に関するアンケート
対象条件:日本全国のモニターさん
回答者数:987人(調査日:2019/9/12~2019/9/13)
国会議員の歳費については「高い」と思っている方が圧倒的に多い81.3%という結果になりました。
もちろん、記事中で挙げた通り、業務上必要なお金も含まれての金額ではありますが、それにしても、という思いはやはり拭えないですよね・・。
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